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本稿は,構成学(シンセシオロジー)論文誌に掲載された原著論文を基に記述したものです.(Synthesiology Vol.5 No.3 pp.179-189(Aug. 2012))

English version

English version : "Evaluating the effects of actions taken to attract visitors to sightseeing areas - An open service field behavior survey technology -"

概要

NHK「おはよう日本(2010.12.14)」より

約5分間で,システム外観の概要を理解することができます.

要旨:温泉街に独自の電子マネーシステム
従来の「つけ払い」を最新の技術が代行するこの電子マネーシステム。温泉街が独自で行うのは全国でも例がありません。
「すごく便利だと思います。使ってみて、ああ、やっぱりいいなと思いました」 「携帯だけ持っていくとお酒も飲めるしお土産も買えるし、温泉にも入れるし、すごく便利だなあと」(利用客)

観光地の集客施策に対する効果測定の試み
--  オープンサービスフィールドにおける行動調査技術 --

[要旨]観光地では毎年なんらかの集客施策を実施していますが、施策の効果測定はほとんど行われていません。集客施策によって観光客がどれくらい変化したのか、回遊経路がどのように変化したのかを計測することは観光地づくりの基礎データになりますが、合理的費用で定量的かつ継続的に回遊行動を捕捉する技術がありませんでした。我々は観光地等で定量的かつ継続的に観測・調査を実現する「オープンサービスフィールド型POS(Point of Service)」を開発し、実用化に向けたプロジェクトを実施しました。本稿では、兵庫県城崎温泉における事例を、地元関係者と技術者との共同作業という観点から考察します。

研究の目的 -- サービス品質改善に向けた最適設計ループ

GDPの7割を占めるサービス産業の生産性を向上させることは、活力ある日本を取り戻すうえで重要な課題です。サービス生産性を向上させるためには勘と経験に頼ってサービス改善を繰り返すのではなく、データに基づいたサービスの品質改善に向けた最適設計ループを現場に導入する必要があります[1]。一般的に観光地では毎年、集客関連イベントや集客施策を実施していますが、各イベントや施策の効果について客観的データを収集することはまれで、次年度の投資を決定する際には経験と勘による選定が行われています。そのため、効果的なイベントに注力するといった施策がとれないだけでなく、効果が疑わしいイベントであっても中止の決断が難しく、イベント数が年々増加することにもなりかねません。街づくりに責任のある人々にとって、これは大きな懸念事項です。

このような場合、合理的な判断で効果の高いイベントにより資源を割り当てる品質改善の最適設計ループを作ることが求められます。しかも、そのループは中・長期にわたって持続されうるものでなければなりません。

観光地とは一定地域内での「体験」を売るサービスですから[2][3]、個々のイベントによってもたらされた人の増減や移動が、そのイベントの評価そのものと言えます。ところがこれまでの歩行者流動調査[4]では中長期間継続して大規模な調査を実施することはもちろん、開催イベントごとに調査することすら(主に費用上の問題によって)困難でした。

そこで我々は、2009年4月から、典型的な観光地である城崎温泉を対象として、定量的かつ継続的に観光客の行動を観測する技術の実用化を目指したプロジェクトを開始しました。

本稿ではまず、我々の興味の対象である観光地とはどのような場所なのかについて定義し、調査事業がなぜ困難であるのかを説明します。続いて、この困難を回避するために調査システムにインセンティブをもたせるという我々のアプローチを述べます。そこでは、我々の開発した「オープンサービスフィールド型POS(Point of Service)」を説明します[5]-[7]。その後、実用化に向けた試みにおいて重要な役割を果たした要因である、地元関係者と技術者との相互作用に関して考察します。

観光地歩行者流動調査

オープンサービスフィールドとはなにか

我々の対象とした観光地は、以下のような特徴をもつ地域として一般化できます。

  1. 一定の地域内に、小規模サービス提供者が多数存在し、競争的に共存している。各サービス提供者は対等な関係であって、主従関係はない。
  2. その地域には、特定の出入り口がない。顧客はどこから来てもどこから帰ってもよい。その流入・流出を個々のサービス提供者は把握していない。

このような特徴をもつ地域を「オープンサービスフィールド(Open Service Field)」と呼びます。オープンサービスフィールドの例としては、商店街やショッピングモール、地方観光地があります。複数のサービスが集まった中を顧客が回遊する地域であっても、同一の運営主体のもとで運営されている場合にはオープンサービスフィールドには該当しません。著名なテーマパークの多くはオープンサービスフィールドに該当しません。

オープンサービスフィールドでの調査事業

イベントや集客施策の効果を調べる調査が観光地であまり積極的に行われていないのはなぜでしょう。

もし単独の企業が調査事業を実施するのであれば、意思決定権者の判断がすべてです。その決定に従わない支店、という事態は一般的には想定する必要がありません。これに対してオープンサービスフィールドでは多数のサービス事業者が独立してビジネスを行っていますから、上意下達というわけにはいきません。それゆえ、街づくりに責任ある人々が調査の重要性を感じたとしても、個々の地元事業者が賛同しなければ実現できません。

ではなぜ調査事業に対して積極的に賛同する地元事業者が多数派になりにくいのでしょう。この点、次のような構造的要因を指摘できます。

(a)関心の低さと費用の適切性判断の困難性
街の集客数を向上させる事業ということであれば賛同を得やすいでしょう。しかし調査事業は、これを実施したからといって集客数が直ちに伸びるものではありません。集客数が伸びるかどうかは個々の集客施策にかかっており、調査はその施策の結果を計測するだけです。効果的な集客施策を増やし、効果の低かった集客施策を廃することで翌年度はさらに効率のよい投資が実施されます。これが本プロジェクトの意義です。その意義を地元関係者に説明することに時間を割きましたが、地元経営者にとっては直接的に自店の売り上げに連動する話題とはいえないことから総じて関心は低いものでした。仮に売り上げの向上が見込めるとしてもその増額分がいくらになるかは容易に見積もれませんから調査費用が適切かどうかの判断もとても難しいのです。

(b)公平な受益者負担の難しさ
街全体の利益になると判断できる事業であり、総額も見合うものだと判断できたとしても、その経費の平等な負担を合意することは容易ではありません。オープンサービスフィールド内の競争関係の帰結として経済的格差が生じており、平等の意味すら共通ではないのです。小さい規模の店舗としては経済的余力のある者が応分の負担をすべきだと考える一方、大きな規模の店舗としては街全体の事業のときに常に負担が大きいのでは公平ではないと考えることになります。

(c)データ活用に関する一般的懸念
調査によって得られたデータを活用するためには、なんらかの分析が必要となるでしょう。ところがその分析は一般的には特殊な技能を必要とするものと考えられています。 このことから、専門家に依頼する費用が別途必要になるのではないかとの懸念が議論になります。得られたデータの活用方法が事前に明確に判っているものばかりとも限らないのですから、分析を引き受けるという宣言をすることは(地元で自分のビジネスを抱えている者にとってはなおさら)困難でしょうし、多くの地方観光地にとって専門家を依頼する費用は小さくありません。結果として合意を妨げる要因となります。

(d)新しい方法論の導入に関する心理的不安
新しい技術や考え方に接する機会を、誰しもが歓迎するとは限りません。ビジネスを継続してきたとの自負がある商店主や宿主にとって、サービス工学等の新しい概念を勉強する動機付けは高くありません。また、これまでとは異なるやり方に対して最初から積極的である人は少数派でしょう。自店舗を維持してきた人(これまでの方法で成功してきた人)ほど保守的であることはやむをえないことです。

街づくりの合意形成の場は、会議体の原則どおり「一人一票」です。それゆえ街全体で新規事業を導入することは一般に難しいのです。

インセンティブ付きの調査システムの提案

(図1)OSF-POS

プロジェクトの目的は中長期にわたって利用できる顧客(観光客)行動調査の仕組みを観光地に導入することでしたが、調査システムを調査システムとして持ち込んだとしても容易には受け入れられないことが予想されました。地元経営者にとって、より受け入れやすいインセンティブが必要です。一般的に、どのサービス現場でも「お客様が喜ぶこと」は経営者にとってインセンティブとなりますが、「何がお客様に喜ばれるか」は個々のサービス現場によって異なります。

小川[8]は、イノベーションを起こすためには「機能デザイン(ユーザーが抱える問題を発見し、それを機能要件に翻訳するという問題解決)」と「技術デザイン(その機能を実現する生産技術を含めた要素技術の組み合わせを創出するという問題解決)」の二つの問題解決が必要であると指摘しています。「お客様に喜んでいただくサービスはなにか」は機能デザインの問題で、東京で活動するIT研究者が考えるより地元で営業する経営者が取り組むことが望ましい情報であることは明らかです。

とはいえ、一方的に地元がやりたいことを実現する、というだけではプロジェクトの目的は達成できません。それゆえ我々は「お客様が喜ぶ仕組みを提供するために導入する」ことと「調査技術として機能する」ことを両立させる手法を考案する必要がありました。

そこで我々はPOSシステム(販売時点情報管理システム)に着目しました。小売店では「消費者が『いつ』『どこで』『なにを』購入したのかを知る」ためにPOSが使われていますが、これを使う販売員にとっては調査システムというより日常の販売業務を潤滑に処理するための道具として認識されています[注1]。この先例にならい、本プロジェクトでは、「観光地内を回遊する観光客が、『いつ』『どこで』『どんなサービスを』受けたかを知る」観測技術をPOS(Point of Service)と位置付け、観光地で必要とされる各種サービスを構築できるクラウドサービスと、そのサービスにアクセスする小型端末「オープンサービスフィールド型POS(Open Service Field Point of Service。以下、OSF-POSと呼ぶ)[注2]」を開発しました(図1)。そして、そのOSF-POSを使うことを前提として、どのようなサービスを提供すれば「お客様に喜んでいただけるか」を宿や物販店舗の経営者に尋ねることにしました。

機能デザインの発掘

我々はOSF-POSの物理的な機能(プリンターやディスプレイや音声再生機能、非接触ICカードの読み取り機能等)やソフトウエアで実現可能な機能の概要(メンバーカードが作れる等)を紹介しつつ、どのようなサービスを観光客に提供したいかを聞き取り調査しました。

町営クレジットカード
一番に要望として挙げられたのは「町営のクレジットカード(つけ払い)ができないか」というものでした。城崎温泉では古くから「つけ払い」の文化が根付いており、宿泊客がゆかたのまま飲食店等を訪れても、支払いは宿へのつけが効くのです(チェックアウトのときに料金をまとめて支払う)[注3]。提案者である商工会長は、このつけ払いサービスを、少額のソフトクリームやジュースといったものに拡張して、より多くの人につけ払いサービスを提供したいと考えていました。

外湯券
(図2)城崎温泉の外湯

つけ払いの要望とほぼ同時に、複数の地元関係者が「外湯券の電子化」を要望として挙げました。城崎温泉では「外湯めぐり[注4]」がもっとも中心となる観光資源であり、およそすべての宿泊客が宿で外湯券をもらってから街中を歩きます(図2)。旧来の外湯券は紙で印刷されており、宿泊客は外湯に行くたびに1枚ずつ外湯券を渡して入浴します。しかし紙方式にはいくつかの問題がありました。券を渡す宿や、外湯を管理する行政部署である豊岡市温泉課にも不利益がありましたが[注5]、なにより宿泊者にとって不利益がありました。宿泊者であればフロントに山積みされた外湯券を何枚でも持ち出すことができます。ところが、「どうせそんなにたくさん入浴しないだろう」と考えて外出する宿泊客は意外と多いのです。券が足りず戻ってくることは(自己責任であるものの)大きな不満となっていました。逆に、何枚でも自由に持ち出すことができるため、入手した外湯券をネット上で売る者も出ていました。そこで宿泊者以外の者が不正に入手しても入浴できないようにするため、宿泊者であることを別の手段(例えばゆかた姿)で確認する必要があり、本来は朝10時まで入浴可能であるべきところ(ゆかたを着ることができないために)「チェックアウト後は利用できない」という宿泊者にとっては不利益なルールを導入せざるを得なかったのです。これらの要望を統合して、外湯券の電子化が企画されました。

その他のアプリケーション提案

外湯券の実証実験が始まり、一部の旅館でテスト的に発券が始まってからも、アプリケーションの要望を聞く機会は何度も開催されました。そのなかで地元経営者から「観光案内ができないか」と提案が寄せられました。城崎温泉には「城崎案内人」という観光サービスがあります。これは地元の「語り部」がいくつかの要所で観光案内を行うものです。しかし語り部を事前予約する必要があり、観光客にとって必ずしも手軽に楽しめるものとはいえませんでした。また、近年増加しつつある海外からの宿泊客には対応することができません。そこで、外湯券をOSF-POSにかざすことで、その場所の観光案内が再生されるサービスが企画されました。そのほか「城崎メンバーズカードのようなものを実現したい」「レンタサイクルの貸し出しシステムに使いたい」といった提案が寄せられました[注6]。

費用低減のための技術デザイン

一方、オープンサービスフィールドでは費用を低減させる技術デザインが必要となります。我々は、将来オープンサービスフィールドから提示されるさまざまな機能デザインを実装する上で費用低減に資する枠組みをOSF-POSに準備しました。

IDの配布費用の低減
サービスの高度化・高品位化のために、顧客へのID配布は必須です。顧客がIDをもつことにより、詳細な個別行動の収集・分析が可能になりますし、その日使われたIDの総数をみれば、その日の顧客総数がわかります。ID別の行動履歴を用いれば「この顧客がリピーターかどうか」がわかるので、特別なインセンティブを提示することも可能になります。リピーターかどうかの判断だけであれば紙のスタンプ帳を配布すればわかるのだからIDは不要と考えることもできるかもしれませんが、IDに対してポイントを与えることでポイントサービスを高度化できます。例えばポイント分布状況(現在、何ポイントもっている人がどのくらいいるのか)がわかり、ポイントの市場価値を正確に把握できますし(たくさんポイントをもっている人がたくさんいるなら、ポイント一つあたりのインセンティブは低くなる)、IDを付けることでポイントの流動性を制御することができるようになります。つまり、ポイントの譲渡を制限することで厳密に取り扱うこともできますし、他の人にプレゼントする仕組みを提供して新規顧客の開拓に活かすこともできるようになります。今日どの店に訪れたのかがわかるので「あちらの店舗を訪れた人にだけxxを謹呈する」等の相互送客の仕組みを導入することもできます。

IDの配布は顧客にとっても価値があります。リピーターに対するインセンティブを受けることができますし、たくさんのクーポン券や入場券等を束にして持ち歩く必要がなくなります(すべての権利をメンバーズカードに紐づけてしまえば、メンバーのIDを提示するだけで権利を行使できる)。万が一、券をなくしてしまってもIDで管理されていれば再発行も比較的容易となります。また、地域内で「特定個人に対して提供するサービス」を受ける際に、個々のサービス提供者に対して実名や住所を提示する必要がなくなり、匿名のままでサービスを受けることができるようになります。例えば宿でランダムに割り振られたID番号とクレジットカードを紐づけしておき、このIDですべての買い物ができれば、地域内の個別の店舗でクレジットカードの番号や実名を開示する必要がなくなるのです。仮に観光地内に信頼できない店舗があったとしても、匿名を保持することができプライバシー保護に資するわけです。

このように、IDを配布することは、強力なサービスインフラをもつことを意味します。それゆえ、ショッピングモールや百貨店等ではメンバーズカードを配布し、顧客を個別に把握するための投資を行うのです。

しかし観光地を訪れるほとんどの観光客は年に一度程度しかそこを訪れません。そのようなときに一人ひとりにメンバーズカードを発行していては費用が高くつき、現実的ではありません。

そこでOSF-POSには、顧客がすでに所持している番号を顧客IDとして活用する機能があります。例えばFeliCaの製造番号をIDとして使うことができます。FeliCaはおサイフケータイや交通系ICカードで利用されている非接触ICカードデバイスです。日本では、おサイフケータイ機能を搭載している携帯電話は出荷台数中7割に上ります[11]。2010年8月の調査によれば首都圏では電子マネーの保有率が98.6 %に達し、近畿、札幌、福岡、東海等の地域においても60 %を超えています[12]。FeliCaの製造番号をIDとして利用することはIDを配布する費用を下げることに大きく寄与します。

一方、おサイフケータイ等をもっていない顧客のためにOSF-POSには発券機能があります。当該観光地で最初に利用するサービス拠点で、そのサービスの利用券面上に顧客IDを印字して配布するのです。このとき、当該IDが電子的に読み取れること(バーコード等)が重要です。顧客がもっているケータイを利用するより費用は必要となるものの、レシート用紙等消耗品の費用はごくわずかです。

ソフトウエア開発費の低減
観光地やショッピングモール等で実施されているサービスは多岐にわたります。それらのサービスを個別に開発するのでは効率的とは言えません。そこで我々は、オープンサービスフィールド内のサービスを「権利確認型サービス」「権利更新型サービス」に分けることを提案しています[6][7]。あらゆるアプリケーションをどちらかに当てはめることで、用いるべきソフトウエアモジュールが決まり、ソフトウエアの開発効率は高まると期待できるのです。

(a)権利確認型サービス
利用者がもっているIDが有効かどうかを判定してから提供するサービスです。権利確認型サービスは大量の観光客が次々と入場し、その後にサービスが提供される施設で利用されます。例えば、映画館や美術館、資料館等有料の施設は権利確認型サービスで、その改札口にOSF-POSが設置されます。

(b)権利更新型サービス
利用のたびに情報を更新する必要があるサービスです。例えば、電子マネーは権利内容の変動(デポジット金額を消費する等)が発生するたびに情報を更新しなければなりません。IDメディアが書き込み不可の場合、利用のたびにサーバーに権利変動を通知する必要がある[注7]。

この二つのサービスは、要求される反応速度が異なります。権利確認型サービスは、大量の観光客が次々と訪れるような拠点なので、素早く反応しなければなりません。顧客がIDを提示してからサーバーに問い合わせをするのでは時間がかかりすぎます。そのため、(a)のアプリケーションでは端末にサーバー上のデータをキャッシュして保持し、高速に反応を返すライブラリを用います。一方(b)のアプリケーションでは、一般的に利用者が端末の前にいる時間が長いのです。そのため、利用者のID提示に対して必ずサーバーに問い合わせを行ったとしても利用者は許容できます。例えば買い物のときに利用する場合は、レジの前にいる時間は10秒以上あります。既存のクレジットカードでの支払いでも数秒待つことは許容されています。(b)のアプリケーションとして構成すれば、そのロジックをすべてサーバー側に実装できます。端末のロジックを最小限にできるのでハードウエアに必要な費用を低減させることができますし、種類の異なる端末を用意する場合のメンテナンス費用を下げることができます。

合意形成費用の低減
街全体のサービス改善のアイデアは意外と多くの人がもっています。個別にヒアリングすると「こうしたらいいのではないか」といったアイデアを聞かされることが多いのです。しかし街全体の会合でそのようなアイデアが語られることは多くありません。理由はさまざまですが、その一つには合意形成費用に対する認識があります。アイデアを出した人が実際にそれをやることになったとしても、街全体の合意を取りつけることが大変なので、実現には膨大な労力がかかります。結果として、多くの住民は「そこまでの苦労には耐えられない」と考えることになります。どうせできないのであれば、最初からアイデアを出すことをためらうことになってしまうのです。

そこでOSF-POSには部分実施機能を実装しています。例えば配布したIDを利用して「うちの店では予約サービスを作ってみたい」と思ったとしましょう。このとき、このサービスをまず自分の店だけで実施する、ということができるようになっています。既存のサービスには一切影響を与えず、新しいサービスを特定の店舗だけでスタートさせることができるので、全体の合意を得る必要はありません。他者がそのサービスを導入したいと申し出れば、直ちに展開することもできます。このような枠組みは街づくりのためのITには必須なのです。

機能デザインと技術デザインの架け橋

(図3)外湯券での買物

技術デザインの枠組みに機能デザインを当てはめる作業は主に技術側(研究者)が担当していましたが、最終的なインタフェースが確定するまで、幾度も研究者側と地元関係者の間で試作と試用が繰り返されました。具体事例は5.2節で詳細に検討しましょう。図3はOSF-POS上のつけ払いサービスによって買い物をしている様子です。

データ活用事例の提示

OSF-POSの導入以後、外湯の入場者数や混雑状況、街全体での売上高等はだれでも閲覧できるようになりました。以下に、データ活用例を挙げます。

回遊行動のグループ構成推定

同じ宿から出発しておよそ同じ時刻に同じ拠点を移動している人々は同一グループである可能性が高いと考えられます。昨年12月のデータを分析したところ、単独で行動しているのは3,561人(12%)、大人のみの2人組11,424人(40%)、うち男女混合の2人組(大人のみ)は8,284人(29%)、男女混合の3人.5人の組6,155人(21%)、大人と子供(子供券)の両方を含む3人.5人組3,262人(11%)であることがわかりました。

これらの推測方法の妥当性を検討するため、12月16日.19日の4日間、全7か所の外湯の出口でアンケート調査を実施し、その中で同行者の人数と子供のいる家族かどうか等を尋ねました(図)。アンケート印刷は合計2,444件、回収は1,619件(回収率66%)でした。

(図)アンケート調査(1)(図)アンケート調査(2)

親子グループと推定された人のうち、一人でもアンケートに答えて、その人が子ども連れの家族であると回答しているものを正解としたとき、推定精度(正解率)は92%でした。OSF-POSのデータ分析から、実用的な精度でグループ構成を推定できることがわかりました。

ところで11%の親子連れは多いのでしょうか少ないのでしょうか。文献[13]によれば、国内観光旅行に占める家族旅行の割合は51.4%と最大のシェアを占めています((財)日本交通公社「旅行者動向2009」)。家族旅行といっても必ずしも子供券を必要とする子供がいる家族とは限らないし、親子連れの場合には宿から外出することを避ける傾向があると想像されるから、推定結果と直接比較することはできませんが、その点を勘案しても11%は少ないと言えそうです。城崎温泉では若いカップルか熟年夫婦をモデルにしたポスターしか作成していませんでしたが、本年度から親子連れをモデルとしたポスターも作成するようになりました。

滞留・経路分析

OSF-POSによるデータから分かる外湯への立ち寄り状況は直接的に利用されています。鞄店では付近の外湯の入浴者の男女比を確認し、男性客が多い日はビジネスバッグを店頭に並べ、女性客が多い日はファッショナブルな製品を店頭に並べる等の工夫がなされています。

ところで、改札口に設置されたOSF-POSでは、入場時の時刻しか記録できません。しかし、入場時の時刻の蓄積から各観光拠点の滞在時間を推定することができます。

(図)さとの湯からの移動(図)地蔵湯からの移動

図は、「「さとの湯」から「他の外湯」」に移動した人数とさとの湯に入場してから他の外湯に入場するまでの時間をグラフにしたものと、「「地蔵湯」から「他の外湯」」の場合のグラフです。観光拠点ごとにこのようなグラフを作成することができます。このグラフから、さとの湯から他の外湯にいく人の多くが地蔵湯に向かっていることがわかります。また、地蔵湯からさとの湯への移動時間は49分であるのに対し、さとの湯から地蔵湯に移動する時間は76分であって55%も長いのです。これは、さとの湯に滞留する時間と地蔵湯に滞留する時間の差が表れているからです。さとの湯のほうが55%長く滞留していると考えられます。これらの分析を通じて滞留時間を推測することで、混雑状況の将来予測が可能になるのです。

閑散時間分析

(図)閑散時間分析

地元飲食店にとって、昼食時間に町に人が多いことが望ましいといえます。

図は、7:00から23:00まで外湯が開いている時間中の利用者数をグラフ化したものです(2010年12月累計)。朝食前に外湯に行く人は一定数いるものの、10時を超えると人がいなくなる様子がわかります。10時までは宿泊客がいるのですから、滞在時間をあと2時間延長してもらえるような企画を推進することがもっとも効果的だと言えます。現在、10時〜14時に一度だけ入浴できる宿泊者向け(正確には、チェックアウトした人向け)の外湯券等が議論され始めています。

イベント評価

(図)2011年8月の日別宿泊客数(上)と日別売上高(下)

図は、2011年8月の「宿泊者数(図上)」と「街全体の売上高(図下)」です。8月の13日〜16日はお盆休み期間なので宿泊者数はもっとも多かったことがわかります。しかし街全体のつけ払いの売上高は決して多くありません。街全体の売上高が最大だったのは26日です。26日の宿泊者数は必ずしも多いとは言えません。

8月の晴天の平日は花火を実施していましたが、売り上げには影響は見られません。それに対して26日は「灯籠流し」がありました。灯籠流しとは先祖の霊を送る趣旨で火の灯った灯篭を川に流す行事です。灯籠がゆっくりと川を下っていくのを見ながら、街中を比較的長く歩くイベントです。このイベントにかかるコストは花火よりも低いのです。よって、灯籠流しは花火よりも売り上げに貢献するイベントであると評価できます。

一分単位の入浴時刻をグラフにしてみたところ,21時の直前に急激に入浴者数が減り,21時になると急激に回復する様子がわかりました.ちょうどこの時間帯で花火をやっていました.多くの観光客が花火を見ていることはデータから確実です.17時の時間帯に外湯の混雑を緩和させるようなイベント施策が考案可能ではないかと想像します.

考察

1年間の実験運用を経て、城崎温泉は本プロジェクトで構築したシステムの継続的運用を決定しました。2012年1月現在、城崎温泉のすべての宿(87軒)、すべての外湯(7か所)、35か所の店舗・観光拠点に端末が設置され、運用されています。

ここまで本プロジェクトを主に技術側から説明しましたが、プロジェクトの推進にユーザー側が果たした役割は大きいと思われます。そこで以下では、ユーザー側と技術側の相互作用と役割分担について検討します。

イノベーションに関する役割分担:知識の粘着性

複数の主体が共同プロジェクトを実施するとき、それぞれの有する知識によってプロジェクト内での役割が決まります。この点、小川の「知識の粘着性」に関する議論は興味深いものです[8]。知識の粘着性とは、ある特定の現場で生じた知識(ノウハウや問題点の認識)の流動性(他の地域への伝達の容易さ)を表現した概念です。その知識が他の場所でも容易に活用できるものであれば粘着性は低いと言えます。城崎温泉で生じていた外湯券の問題点は、他の地域で活用できる形で切り出すことは容易とは言えませんから、粘着性が高い知識です。対照的に、情報技術をどのように利用するかという知識はPCやインターネット環境が普及している現在では、相対的に粘着性は低いものです。このような場合、粘着性の高い知識の現場に近いところでイノベーションが起こると説明されます。城崎温泉がシステム完成の地であった本プロジェクトの結果は、小川の議論が妥当します。

小川[8]は、この「粘着性」の概念に加えてニーズ・プッシュ(ユーザーが機能デザインを行うこと)とテクノロジー・プル(ユーザーが技術デザインを行うこと)という概念を用いて、ユーザーにとって技術情報の粘着性が低ければ低いほど製品イノベーションにおいてテクノロジー・プルの傾向が高まると指摘しています。

このプロジェクトでの技術デザインは、おおむね研究者側にゆだねられていました(テクノロジー・プルとはならなかった)。提案された機能デザインを実装する方法はさまざまあり得たし、類例を探すことで技術に精通していない者でも実装方法を指定することは不可能とまでは言えなかったでしょう。しかし、どの技術を使えば費用を低減できるかという課題は技術情報の中でも個々の技術の難易度を理解している必要があり、技術者の技量が反映する知識でもありますから、粘着性の高いものと考えられます。

ユーザー側と技術側間の接点の調整

技術デザインの枠組みに機能デザインを当てはめる作業、すなわちユーザー側によるニーズ・プッシュおよびテクノロジー・プルと、技術側によるテクノロジー開発の接点の部分は技術デザインと機能デザインの両方に少なからず影響を与えたと思われます。

前述したとおり、インタフェース(現場での使い勝手)については最終形態が実装されるまで、幾度も研究者側と地元関係者の間で試作と試用が繰り返されました。もし、完全にユーザーが機能デザインを記述しきることができるのであれば(どのように使うのかすべて事前に仕様書の形で書き下すことができるのであれば)、その状態はニーズ・プッシュにとどまらずテクノロジー・プルに相当するでしょう。技術デザインに関する知識をもたないユーザーに対して機能デザインを促す場合には、こういうことをやりたい、という提案を受けて実装し、それを試行して問題点があるかどうかを検証し、再び改善策を検討する、という相互作用を作らねばなりません。以下に、ユーザー側と技術側の相互作用が機能デザインや技術デザインの決定に影響を与えた具体例を挙げます。

宿での操作インタフェース
地元関係者から外湯券を電子化するという要望が寄せられた初期の段階では、インタフェースに対する要望はまだ出されていませんでした。そこで我々は外湯券発券時に「宿泊客の年齢層」等の付加情報を宿で入力してもらうことを期待しました。データ分析のことを考えれば、宿でキーとなるデータを入れてもらうことはとても重要でしたし、同様の入力をしているコンビニエンスストアのPOSはアルバイトの学生から高齢者までが使っているのですから、城崎温泉の宿でも十分に可能だと考えていました。

しかし、最終的には付加情報を入力するためのインタフェースは一切採用されませんでした。例えば外湯券の発券だけならコマンド一覧の「発券バーコード」を読み込むだけにしました。宿泊客がおサイフケータイ等非接触ICカードをもっている場合は、宿のOSF-POSにタッチするだけで直ちにそれが外湯券化するようにしました(2連泊以上の人の場合は連泊日数をバーコードで読み込み、子供の場合は「子供券バーコード」を読み込んでから発券する必要がありますけれども)。

調査機能を重視していた我々としてはできるだけデータを取得するため、少しずつ操作を簡略化しつつも付加情報をできるだけ残した試作インタフェースを見てもらっていましたが、そのたびに地元関係者は操作の簡略化ができないかを質問してきました。宿の経営者には高齢者も多く、新しいやり方(宿で発券する方法)に対する不安が大きかったのです。

最初はとてもあいまいな機能デザインが提示されていましたが、技術デザインを当てはめる過程で徐々に機能デザインとして強い要請が絞り込まれたと考えられます。

外湯券の機能デザイン
OSF-POSにはおサイフケータイや非接触ICカードをIDとして利用できる機能があります。しかしこれらのカードの普及率は100%ではありませんから、レシートにバーコードを印刷する方式を併用せざるを得ません。それならいっそ、すべての外湯券をレシート発券だけにしても機能的には十分に足りるのではないかという点が議論されました。

しかし、次の二つの理由から非接触ICカードとレシート発券を併用することになりました。

一つ目の理由は「観光客がもっているケータイがそのまま外湯券になる」という宣伝文句が「魅力的な新技術」として受け止められたことです。ケータイは、最も身近なIT技術の一つです。これは城崎の人々にとっても同様です。そのケータイを活用するのは(少なくとも温泉地にとって)まだ他の地域では実施していない最先端の取り組みとしてわかりやすいといえます。しかも、顧客に喜ばれる可能性が高いと期待されました。浴衣姿の外湯巡りではなるべくモノを持ち歩きたくないと考える観光客であっても、自分のケータイだけは持ち歩きます。これは地元関係者にとって周知の事実でしたから、ケータイが外湯券にできるのであれば宿泊客へのアピールができることになります。

もう一つの理由は不正利用の防止に役立つと考えられたことです。当時、城崎温泉では「一日券(当日に限り、どの外湯でも何度でも入ることができる券)」を企画していましたが、購入された一日券がグループ内で貸し借りされて使われることを危惧して発券に踏み切れないでいました。顧客のケータイを外湯券として利用する方法ならば、同じ券を複数人で使いまわすという利用方法は少なくなると期待できます(これによって貸し借りを防ぐことができると期待されました)。

そのため、コスト的にはバーコードだけに統一するほうがやや有利であったにもかかわらず、FeliCaを利用する技術が積極的に機能デザインに取り込まれました。ユーザー側が積極的に技術を選択したという意味において、テクノロジー・プルの要素が一部あったと言えるでしょう。

つけ払い機能付き外湯券
つけ払いサービスは、宿にとって負荷の純増です。宿泊客に対してつけ払いサービスの説明をしなければなりませんし、チェックアウト時には清算を行う必要があります。現時点では経済的には宿にメリットはなく、純粋に街全体のサービスとして取り組んでいるものです。それゆえ、つけ払い機能付きの外湯券を発券するかどうかは宿の任意です。

そこで少しでも宿の手間を少なくするよう、外湯券を発券する前に(宿泊者の)部屋番号を入力するだけでつけ払い機能付きになるようにしました。チェックアウト時に料金を請求する際、部屋番号だけはどうしても必要で、これ以上操作を減らすことは困難であり、研究者側はこのインタフェースが最終形であろうと考えていました。

OSF-POS導入後、多くの宿では、宿泊客が到着する前に外湯券を印刷しておく方式を採用していました(チェックイン後はとても忙しくなってしまうので、できるだけ準備は先にしておきたいから)。ところが、外湯券を発券する前に部屋番号を入れておかねばならないとすると、つけ払いを希望する客のために発券済みの外湯券を廃棄して、つけ払い機能付き外湯券を発券しなおす必要がありました。

これに気付いた研究者側が、「部屋番号を入力してから発券済み外湯券を読み込ませれば、その外湯券につけ払い機能を追加できる」という機能を追加しました。この機能はとても好評を得て、後者の使い方のほうが主流になっています。発券済みの外湯券に後から機能を付加できるということは地元経営者にとっては想像の難しいところだったと思われます。また、つけ払い機能付き外湯券を発券する宿は街全体の取り組みに積極的に参加している宿なので、多少の不便があっても改善要望が出されなかったと想像できます。この事例は、当然のことではあるのですが、技術側からニーズをうまく抽出することが必要なこともあることを示しています。

パスコード
バーコード外湯券は、無くす人があり得るので、パスコード(1ケタから3ケタの数字)を使って本人認証を強化することが求められました。そこでシステムは発券時にパスコードを割り当てます(宿泊客が自分でパスコードを決める方式は、宿のフロント業務が混雑するとの理由から見送られた)。しかし、試行してみると「パスコードを忘れた」といって電話をしてくる宿泊客もいましたし、宿の人も個別の宿泊客に「あなたのパスコードはここに記載されている番号です」と説明するのが手間になる、との意見が寄せられました。

これに対応して宿ごとに特定の数字を決めて設定しておくとその日のすべての宿泊客が同じ番号になる、という方法も使えるようにしました。同じ日に同じ宿に宿泊したすべての宿泊客が同じパスコードというのは一見するとリスクが大きいようにも見えますが(このような方法を最初から勧める技術者は多くないでしょう)、実務では多くの宿が固定のパスコードを使っています。これもテクノロジー・プルの一つと考えることができるでしょう。

OSF-POSが比較的短期間に導入された背景には、上述のようなユーザー側と技術側のやり取りが短期間に実施できたことが挙げられます。ユーザー側の要望を持ち帰り、技術上の改良を加えて(時には新しい機能を追加して)再び現地に持ち込むという相互作用を一件あたりおおむね2週間程度で実施しました。この相互作用は、ユーザー側も技術側も事前に知り得なかった新たな知識(使い勝手のよいシステムはどのようなものか、等)を生み出すことに大きく貢献し、機能デザインを地元にとって魅力的なものにすることを可能にしました。

ユーザーの「気づき」を支援する

品質改善の最適設計ループの実現に向けて「得られたデータを誰が分析するのか」は最大の難問でした。コンサルタントのような専門家が間に入ることが妥当であるとも考えられましたが、その費用を負担できる観光地は多くないでしょう。理想的には、地元の人々がアイデアを出し合っていく体制を作ることです。

アイデアを出すには、データに接する機会を増やす必要があります。そこで本システムではデータをプッシュ型で提示しています。具体的には、城崎全体の観光客総数と売上総数のグラフ(のURL)を店主らにメールで送付します。加えて、気づいたことをメーリングリスト上で討論する体制を構築しました。

前節で紹介したイベント評価は、このメーリングリスト上で宿の経営者が指摘したものでした。

「昨日は旅館のつけ払いが11件合計21,625円ありました。11件のつけ払いは今まで最高です。全体のつけ払いも昨日が一番多かったようですね。お客様の数はお盆の方が多いのに、つけが多いということは、灯籠流し等のイベントで町を散策されている人が多かったということでしょうか。」(8月26日のある宿の御主人のメールより抜粋)

この宿の経営者はまず自分の宿に宿泊している客の利用状況が多いことに気付き、街全体でも利用が多いというデータを確認しイベントの効果に思い至ったことがこのメールから推測できます。このような「気づき」を生じる上で、経営者が日々データに接していることには意味があります。「今日はいつもと違う」とわずかに感じた印象は数日で薄れてしまいますから、データを見に行くことに手間を感じる環境ではささいな変化に気づくチャンスは失われるでしょう。

気づきを促進するという観点からは、本プロジェクトのようにデータプッシュによって「見る費用」を減らす方策の他に、経営者が毎日見たくなるデータ(例えば、地域内の同業他社全体の売り上げグラフや前年度比等の評価結果)を用意する方策もあり得るでしょう。一方、データに接する機会を増やすだけでなく、データそのものを「気づきを促しやすい」形に加工することも重要だと思われます。地元経営者は地元でその日になにが起こったかを熟知している反面、中長期での変動には気づきにくいことがありますから、グラフでの月間表示や年間表示は有効です。セブンイレブンでは店主が活用することを期待してPOSデータをグラフィック端末で提示しています[8]。本件の事案はセブンイレブンの場合とは異なり、街全体のデータは直接的な意味では個別の事業者のビジネスの範囲とは言えませんが、街全体の経時変化を日常的にグラフによって把握する環境の提供は、身の回りの変化だけでは気づかない街全体での変化の兆しに気づいてもらう可能性を高めるでしょう。

地元のプロジェクト推進体制

キーパーソンの存在
城崎温泉の地元関係者にとって、技術者との共同プロジェクトは過去に経験のない事業であったにもかかわらず、実証実験を経て継続運用に至ることができたのはキーパーソンの積極的活動によるところが大きいと言えます。キーパーソンとは地域の意思決定に強い影響力をもつ人物のことです。さいわい、城崎温泉には本プロジェクトの価値を認識して建設的にニーズを語り、テクノロジーについて積極的に理解しようと努め、合意形成の実務を担当したキーパーソンが複数おられました。合意形成に費用のかかるオープンサービスフィールドにおいては、共同プロジェクトの推進にキーパーソンの存在は不可欠であったと考えられます。

関与者の広がり
いかにキーパーソンがいたとしても地域社会があらかじめ一枚岩になっているわけではありませんから、キーパーソンの意見を支持する動きが広がることがプロジェクト推進には必須です。そのために地元説明会は頻繁に繰り返しましたが、ここでは前節の相互作用のもつ意味を指摘したいと思います。前述したようにユーザー側からアイデアが出され、それを具体化して見せるという作業を短期間で繰り返しました。これは「自分たちの出したアイデアが反映される」との認識をユーザー側がもつことに貢献しました。アイデアを出した人はもちろんのこと、それ以外の人々にも自らが主体的に作っているのだという認識が広がりました。結果として多人数のコミットメント(プロジェクトへの関与)を引き出すことができました。

もう一つ、コミットメントを引き出すことに貢献したと考えられるポイントがあります。それは「システムに名前を付けてもらう」ことです。独自の名前(城崎温泉湯めぐりパス「ゆめぱ」)は、命名直後から急速に街中で広まりました。独自名称を命名することは自らが主体的に作っているのだという認識につながると思われます[14]。

運営組織の設立
プロジェクトを長期に運営する体制は重大な論点の一つでした。合意しなければならない事項は街全体に及んでいましたが、業種別の団体しか意見を取りまとめる組織が存在しませんでしたし、街づくり全体のためにOSF-POSを活用する議論の場がありませんでした。外湯券については財産区議会、つけ払いについては商工会、と所掌範囲が異なっており、OSF-POSの運用主体も分離したままでした。そこで、城崎温泉ではすべての業種別団体の代表者から構成される「街全体の意思決定機関」を新たに設立しました。新組織は街全体のための事業を議論する場として機能するとともに、OSF-POSを継続運用する責任主体として機能します。将来の運営を担保する上で責任主体の明確化は必須です。

おわりに

観光地に品質改善の最適設計ループを導入するため、観光客の回遊行動データを中長期にわたって観測する必要があります。本稿では、我々の提案するインセンティブ付の調査システムが有効であることを示すとともに、本プロジェクトを地元関係者と技術者との共同作業という観点から考察しました。

調査システムの実用導入にとって地元関係者の最大の懸案は「地元の人々だけでデータ活用は可能か」にありましたが、得られたデータを頻繁にみてもらう環境を提供することで宿や店舗の経営者自身にも有益なアイデアが出せることを本プロジェクトは実証しました。

より効果の高い集客施策とするために、仮説をもって来年度の企画を立案することが必要ですが、実際の企画決定は交付金の有無や人間関係等も影響を与えるので、今後どのように運営されるかについては推移を見守りたいと思います。

謝辞・注

この研究は経済産業省委託事業平成22年度「ITとサービスの融合による新市場創出促進事業(サービス工学研究開発事業)」の支援を受けて行われた。

参考文献

城崎温泉との出会い

城崎温泉で共同プロジェクトを立ち上げることになったきっかけは,経産局の方々にご紹介いただいたことでした.サービス工学研究センターでは現場主義を掲げており,サービス生産性向上のプロジェクトに関心のある共同研究先を探しているところでした.

城崎にも出入りしている旅行関係の記者が「産総研は別の温泉地に最初いったが,そこで断られたので城崎に来た」というまったく事実無根の噂を垂れながしているそうです(西村屋社長より直接伺いました).このような嘘を出すことで相手の関心を引くということに慣れきっているのか,まったく罪悪感を感じないのか,本当に腹立たしい限りです.このような噂を自分も聞いたという方がおられましたら,ぜひご連絡ください.

運用

城崎温泉のデジタル外湯券 ゆめぱ

受賞

平成22年度但馬産業大賞 受賞

(図)但馬産業大賞

「ゆめぱ」の取り組みが評価され平成22年度但馬産業大賞(兵庫県但馬県民局)を受賞しました.

2011年度グッドデザイン賞 受賞

(図)グッドデザイン賞

「ゆめぱ・プラス」城崎温泉は1400年の歴史がある伝統的温泉地で7つの外湯と温泉街で構成され,観光客は浴衣で外湯や街をめぐる.近年では,入湯券を電子化し街全体で観光客の履歴を把握しサービス向上に取り組んでいるが,観光地としてのイメージである伝統的温泉地の風情と高度な情報技術を調和させることが新たな課題である.ゆめぱ・プラスは,糸状のICタグと糸状のアンテナを織り込んだ布で作られた「ゆかた」と「のれん」によるRFIDシステムで,これを電子入湯券システムに導入・試験運用することで,伝統的な温泉街の風景の中に高度な情報システムを融合し,「浴衣の似合う街」としての城崎温泉の価値向上に寄与する.

ゆめぱ・プラスの紹介ビデオ

報道

ICチップで「つけ払い」、土産店でかざして、宿で精算、城崎温泉で産総研など

紹介記事

ITPro 温泉客の楽しみ方が分かる城崎温泉「ゆかたクレジット」(2009/11/12)

デジタル外湯券「ゆめぱ」で温泉街の活性化へ -- 城崎温泉「これから100年」のまちづくり --- (季刊DBJ No.16 p.12-p.15)

論文

外湯端末 on Twitter

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English Version

Abstract

Every year, actions are taken to attract more visitors to sightseeing areas, yet the effects of these actions are rarely evaluated. Basic data for assessing effects can be obtained by measuring the change in visitation patterns upon the introduction of actions. We did not have the technology, however, to track the migration behavior quantitatively and successively with reasonable cost. To address this problem, we developed an Open Service Field Point of Service (POS) method that is practical and cost-effective. A case study of this method for the Kinosaki spa resort (Hyogo Prefecture, Japan), highlighting collaboration with local authorities, business circles, and engineering experts, is reported in this paper.

1 Purpose of this study - Optimum design loop for service quality improvement:

The service industry accounts for 70% of Japan's gross domestic product (GDP). Therefore, it is important to improve productivity in this industry to revitalize Japan. To accomplish this objective, it is necessary to introduce an optimum design loop to enhance service quality based on actual data, replacing the traditional method of attempting to improve service quality based on hunches and experience [1]. In general, sightseeing areas conduct promotional events every year in an effort to attract more tourists. However, objective data are rarely collected to assess the impact of scheduled events on tourism. Promotional events and investments are selected based on hunches and experience, making it difficult sometimes difficult to focus on more effective events and to cancel events for which the impact is uncertain. This may lead to an increase in the number of events and is a major concern for the parties involved.

In this case, it is necessary to create an optimum design loop in order to invest more resources in highly effective events, and the loop must be maintained on a long-term basis.

Sightseeing areas are designed to provide people with peculiar tastes and experiences [2] [3]. Therefore, fluctuations in the number of people and their movements in these areas are taken into account. However, pedestrian surveys conducted in the past showed that there are difficulties in creating the loop on a broader scale on a mid- to long-term basis (primarily due to high costs). It is also difficult to investigate each event.

Hence, in April 2009, in a typical spa resort area in Kinosaki, we started a project aimed at the practical realization of implementing technology to continuously and quantitatively observe tourists' activities.

In this study, the general theory of an objective sightseeing area or "open service field" is defined. The reasons for the difficulties encountered in conducting the survey on the open service field are then explained. Next, we present our approach to providing incentives in our research system in order to avoid the known difficulties. We then explain the open service field point of service (POS), which we developed ourselves. Finally, we consider the interaction of local concerned parties and engineering experts, which played an important role in the practical realization trial.

2. Pedestrian survey on the sightseeing area

2.1. Definition of "open service field"

We generalize and specify sightseeing areas based on the following conditions:

  1. Many small-sized service providers exist competitively in adjacent areas. They have equal footing; no master-servant relationship exists among service providers.
  2. The service field has no fixed entrance or exit; thus, customers may enter and exit from anywhere. Service providers are not aware of customers' entering and exiting.
  3. >
The area possessing the above characteristics is called an "open service field." Examples of open service fields possessing the above characteristics include shopping streets, shopping malls, local sightseeing areas, and so on. A service complex operated by a single body, however, is not considered an open service field. Most prominent theme parks are not open service fields.

2.2 Surveys in open service fields

Investigations are not always conducted to determine the effectiveness of promotional events in attracting more customers to sightseeing areas.

Many service providers operate independently in an open service field. No downward communication is possible; therefore, the consent of each business operator is essential.

The following structural factors contribute to the reasons why local business operators are reluctant to conduct surveys in a positive manner.

(a) There is a lack of interest and concern, as well as difficulties in evaluating the appropriateness of the required cost.
Local business operators are agreeable to the project, which may lead to a direct increase in customers and sales. However, survey work is not directly connected to boosting sales. An increase in business is dependent on each promotional step, while surveys only measure the results of each step. The objective of this project is to increase effective measures, while non-effective measures will be discontinued so that more effective investments can be made in the future. Though we have spent considerable time explaining the significance of this project to local concerned parties, their reaction was quite weak, as this project is not directly linked to sales. It is also difficult to evaluate whether the required cost is appropriate when compared to the increase in sales.

(b) Difficulty of equal burden sharing
Though the project is found to be beneficial to the entire area and the cost is reasonable, it is not easy to agree on equal burden sharing. Due to the competition present in the open service field, economic disparity exits among business operators and equality is not commonly understood. Small business operators believe that large business operators should take on a considerable portion of the burden, while large business operators believe this idea is not fair or equal.

(c) General concern regarding the use of data
Analysis is required to use the obtained data, and it is generally considered that this analysis requires special knowledge and skills. This leads to the argument that additional costs must be incurred to solicit the help of a specialist. Because the use of obtained data is not necessarily clear at times, a specialist may hesitate to undertake the analysis, while the cost is significant for local sightseeing areas.

(d)Psychological anxiety when introducing methodology
New technologies and new ideas are not always welcome. Many business and hotel owners with considerable experience are not prepared to introduce a new concept such as service engineering. Only a few people will aggressively accept a new idea that is different from the existing one. It is, in a way, understandable that successful shopkeepers are conservative.

In forming a consensus, the principle is one man, one vote. Therefore, this means that it is difficult to obtain majority to introduce new idea where people are conservative.

3 A proposal of the survey system with incentives

(Fig. 1)OSF-POS

The purpose of the project was to introduce a tourist behavior survey system in sightseeing areas that can be maintained on a mid- to long-term basis. However, it was foreseen that this system might not readily be accepted. Hence, some incentives are required to persuade business operators to accept this survey system. Any actions that lead to customer satisfaction can be incentives, although specific measures differ according to the service areas.

Prof. Ogawa [8] indicates that two solutions are required in order to create innovation: need design and technology design. Need design is a solution for finding out users' problems and translating them into function elements. Technology design is a solution for creating a combination of element technology that includes production technology. In need design, the services that will lead to customer satisfaction have to be determined. Hence, it is apparent that this will be best conducted by business operators in the field rather than by IT researchers working in Tokyo.

Still, it is difficult to achieve our objective by simply understanding what has been requested in the field. Therefore, we had to build a system to function as survey technology and to introduce structures designed to please customers.

Therefore, we have focused our attention on a POS (point of sales) system. At retail shops, POS is used to determine when, where, and what kind of services customers received. In the service field, however, this system is not recognized as a survey system but instead is considered a tool to efficiently handle day-to-day business (Note 1). Therefore, we have defined POS as survey technology used to learn the movements of tourists in a sightseeing area. For this purpose, we developed cloud service to establish services at POS, which are required in sightseeing areas, as well as a small terminal to access such services. This terminal is called an OSF-POS (Open Service Field Point of Service). (Note 2) (Fig. 1). In addition, we asked hotels and shops about the kind of services they want within a POS system in sightseeing areas.

3.1 Turning up unaware needs design

By explaining the physical functions of printers, displays, audio playback, non-contact IC card readers, and so forth, as well as the outline of software-oriented functions (such as creating member cards), we have a hearing investigation with local entities concerned about the kind of services they want to provide to customers.

Credit cards accepted under town management
The first request was to accept credit cards under town management. At Kinosaki Spa Resort, a "buy and sell on credit" culture has been taking root. Tourists in Yukata (summer kimono) can enjoy shopping and dining on credit. Such payment is settled when customers check out of the hotel (Note 3). The person who presented this idea had plans to expand this service even to small purchases such as ice cream and juice so that more tourists can enjoy the credit service.

Computerization of out-spa tickets
(Fig. 2)Kinosaki Spa Resort and locations of out-spa In addition to the request for credit payments, many local entities asked for computerization of out-spa tickets. At Kinosaki Spa Resort, the out-spa tour (Note 4) is a major attraction, and almost all hotel guests receive such tickets from the hotel and then tour the town (Fig. 2).

Conventional out-spa tickets are printed on paper, and tourists are required to have a ticket for each spa. There are several problems with these paper tickets. Hotels and inns and the Toyooka City Office, which administers the out-spa tour, experienced several disadvantages (Note 5). Moreover, there were disadvantages for the tourists as well.

The tickets are available at the hotel's front desk. Hotel guests may take as many tickets as they want. However, some guests only take a few tickets, thinking they will be enough. When guests run out of tickets, they are sometimes denied entrance to the out-spa, resulting in disappointment and dissatisfaction. Some imprudent guests take many tickets and sell them on the Internet. To avoid these problems, it became necessary for tourists to provide identification. This was accomplished by having hotel guests wear a yukata (summer kimono) with the hotel logo emblazoned on it. However, this causes inconvenience to hotel guests, as they are not able to wear the yukata after they check out of the hotel.

Based upon the abovementioned requests, computerization of out-spa ticket was requested.

Proposal for other applications

We have had several meetings with local entities to hear their requests for applications even after the demonstration experiment started, and some hotels started issuing tickets on a trial basis. Among the requests was an application for sightseeing guidance. At Kinosaki Spa Resort, there are Kinosaki guides who are voluntary local guides. However, this system was not very popular because it requires advance booking. Moreover, the system was not able to accommodate the increase in the number of foreign tourists. The service was then expanded to provide sightseeing information by authenticating the out-spa ticket via the OSF-POS system.

In addition to above, there were requests to create Kinosaki member cards, applications for a rental-cycle system, and so on (Note 6).

3.2 Technology design for cost reduction

In the open service field, technology is required for cost reduction. To install technology designs presented in the open service field in the future, we have prepared a structure for cost reduction in the OSF-POS system.

Reduction of ID distribution costs
Providing IDs to customers is essential for upgrading service and providing better-quality service. This makes it possible to collect and analyze detailed individual movements. The total number of IDs used on a given day shows the total number of guests for the day. The movement data of each ID shows whether the guest is a repeat visitor or not, making it possible to provide special incentives. It is possible to know, by paper stamp note, also whether the guest is a repeater or not. However, the ID system can provide a highly qualified point system. For example, distribution conditions of points are instantly identified, and the market value of the points are correctly determined. Providing points to IDs helps to control the possession of points. The transfer of points to other persons can be limited. Points may be given to others as a gift in order to create more prospective customers. As this system clarifies customers' movements, a new system in which shops support each other can be introduced, such as "X is presented to customers who visited Y shop."

ID distribution is beneficial to customers. Customers are entitled to receive incentives as frequent visitors, and it is unnecessary to carry a bunch of coupons and tickets; by bundling all the rights in a membership card, the customer is able to exercise his or her rights by simply showing the membership ID card. In the event the card is lost, it is easy to reissue it because the necessary information is controlled by the ID. Furthermore, services for particular individuals are available anonymously, as the customer is not required to disclose personal information to service providers. For instance, by bundling credit card numbers with random ID numbers at hotels, customers can enjoy shopping in the area without the need to disclose their credit card numbers or real names. If an unreliable shop does exist in the area, the customer's personal information has not been disclosed.

Thus, providing an ID is a forceful means to maintain good service infrastructure. Therefore, shopping malls and department stores can provide membership cards and simultaneously make an investment to maintain customers.

Most tourists visit sightseeing areas infrequently; many may come only once a year. In this case, the provision of a plastic card would increase operational costs and would not be economically realistic.

An OSF-POS system utilizes customers' existing numbers as their ID. For example, the production number of FeliCa may be used as an ID number. FeliCa is a non-contractual IC card device that is used as a mobile phone with a credit function, public transport ticket IC card, and so forth. More than 70% of mobile phones have a credit function in Japan [11]. According to research conducted in August 2010, 98.6% of the population are holders of electronic money in the Tokyo Metropolitan area, while this figure is more than 60% in the Kinki, Sapporo, Fukuoka, and Tokai regions[12]. It would be quite helpful to reduce the cost of ID issuance if the production number of FeliCa is used as an ID.

For customers who do not have mobile phones, the OSF-POS system has a ticketing function. When the customer receives the first service in a sightseeing area, his or her customer ID is printed on the ticket. Such ID shall be electronically readable (by barcode or a similar function). The required cost for this service is quite low, encompassing such expenses as consumable paper and the like.

Reduction of software development costs
As a large variety of services exists in OSF, it is not practical to develop software individually. Hence, we propose to separate various services in OSF into ascertained claim-type services and to update claim-type services [6] [7]. By separating applications and relegating them to one of the above services, the required software module is specified, leading to more efficient software development.

(a)Ascertained claim-type service
This service is designed to provide a service after a customer's ID has been identified as valid. This type of service is used in facilities such as cinemas and museums, where the service is provided after a large number of customers congregate. A POS system is installed at the entrance.

(b)Updating claim-type service
This is a service in which information shall be updated every time the customer receives the service. For example, electronic money requires an information update every time the customer's right changes (such as a change in the deposit balance). In the event that ID media is not writable, a change of rights must be reported to the server every time (Note 7).

These two types of services require different response times. The ascertained claim-type service requires a quick response, as many tourists come simultaneously. It is too time consuming to communicate with a server after the customer has shown his or her ID. Therefore, for application (a), data on the server is cashed in the terminal for a quick response. As for application (b), customers stay longer in front of the terminal. Therefore, the customer may not feel he or she is being too slow even though the communication with a server has been completed. For example, let us suppose a customer stays at a cash register longer than ten seconds when shopping. Payment by credit card still requires that the customer wait several seconds, which is within an acceptable time frame. If this is applied for (b), such logic can be implemented on the server. This will minimize the logic required by the POS system, reducing the required cost of the hardware as well as the maintenance costs for different kinds of terminals (if any).

Reduction of consensus-building costs
Many people have different ideas for service improvements in the area. Many creative ideas are presented through individual hearings. However, these ideas are seldom proposed at large meetings in the area. One of the reasons is that there is a burden of consensus-building costs. Although the idea is presented, it is not an easy task to obtain consensus in the area. Therefore, people become hesitant to propose ideas, resulting in their relinquishing the idea.

An OSF-POS system, then, has a function of partial operation. When a shopkeeper wants to introduce a booking service by utilizing the provided ID, this can be implemented at his or her shop only, not placing any undue influence on the existing service. This does not require a consensus. If somebody else wants to introduce the same service, it can easily be accomplished. This kind of framework is necessary for IT in area development.

3.3 The bridge between need design and technology design

(Fig. 3)Shopping at OSF-POS

The work required to apply need design and technology design was done primarily by researchers. Trial production and use were repeated many times by researchers, and local people were concerned until the time when the final interface was fixed. The details of the concrete case are reviewed in chapter 5.2. Fig. 3 shows the scene of credit shopping with the OSF-POS system.

4 Presentation of examples (data application)

After the introduction of the OSF-POS system, the information obtained was made available to everyone, such as the number of entries to out-spa, congestion, and the amount of proceeds in the whole area. An example of data application is presented below.

4.1. Configuration analysis of the visitors

People departing from the same hotel and touring the same area around the same time will be considered as the same group of people. According to the data analysis conducted in December 2011, it is known that single tourists account for 3,561 (12%) of all tourists; two adults (including couples) is 11,424 (40%); adult couples is 8,284 (29%); three to five adults (men and women mixed) is 6,155 (21%); and three to five people (adults and children mixed) is 3,262 (11%).

In order to investigate the adequacy of this estimation method, we conducted a questionnaire survey from December 16 to 19. The survey was conducted at all exits of all out-spas (total: 7) by providing questionnaires to visitors. The number of provided questionnaires was 2,444, whereas the number of returned questionnaires was 1,619 (66%).

For a group that was estimated as a family with a child (or children), the correct ratio was 92%. Thus, the data analysis of the OSF-POS system provides us with the estimation of the group configuration with practical accuracy.

The question is whether the ratio of 11% for families is reasonable or not. According to document [13], the ratio of family travelers for a domestic sightseeing tour is 51.4%. This is the largest figure compared to other compositions (Data from Travel Current 2009 by Japan Travel Bureau).

A family does not always include children, and families with children tend to avoid leaving the hotel, so 11% is probably too low. Kinosaki Spa Resort displayed two types of advertising posters. One shows a young couple, and the other shows a mature couple. A new poster of a family with children has been created for this year.

4.2. Analysis of stay and route

(Fig. 4)from Satonoyu, Movement from Satonoyu (left)(Fig. 4)Movement from Jizoyu (right)

Out-spa occupancy data obtained by the OSF-POS system is directly used. A luggage store checks the ratio of men and women in the neighboring out-spa and displays the bags accordingly.

The OSF-POS system installed at the entrance can only record the time of entry. Regardless, an accumulation of the time of entry makes it possible to assume the duration of stay at each place. Fig. 4 (left) is a graph showing the number of people who moved from Satonoyu to another out-spa, as well as the time spent traveling from the entry to Satonoyu to the entry of another spa. Fig. 4 (right) shows similar data of movements from Jizoyu to other out-spas. Thus, a similar graph can be made for each location. This graph shows that most of the tourists from Satonoyu traveled to Jizoyu. The time spent traveling from Jizoyu to Satonoyu was 49 minutes, whereas it was 76 minutes from Satonoyu to Jizoyu, which is 55% longer. It is considered that tourists stay 55% longer at Satonoyu.

Through the analysis of these data, it will be possible to construct a congestion forecast.

4.3 Off-time analysis

(Fig. 5)Number of visitors to out-spa between 7:00-23:00 (accumulated total of December 2010)

For the vitalization of the area, it is desirable to attract more tourists at lunchtime.

Fig. 5 shows the number of entries to the out-spa from 7 a.m. to 11 p.m. (accumulated total for December 2010). There are a certain number of entries to the out-spa before breakfast, but there are none after 10 a.m. Because most of the tourists check out of their hotels at 10 a.m., promotional measures should be taken to keep them in the area until lunchtime. Now the discussion has started to provide out-spa tickets to hotel guests that are only valid once between 10 a.m. and 2 p.m.

4.4 Event Evaluation

(Fig. 6)Number of overnight guests by day (upper) and amount of sales by day (lower) in August 2011

Fig. 6 shows data from August 2011. The upper graph shows the total number of overnight guests, while the lower graph shows the total sales amount of the town. The number of overnight guests from August 13-16 was the highest, as this period is a Bon public holiday in Japan. The sales amount, however, is not high enough compared to the number of overnight guests. The highest sales amount was recorded on August 26, 2011. However, the number of overnight guests is not very high on that day. Fireworks were displayed on fair-weather weekdays in August, but this did not significantly contributed to sales. On the other hand, Toronagashi was performed on August 26, 2011. Toronagashi is the traditional observance of lighting floating lanterns in the river to send off the spirits of ancestors. People enjoy walking slowly to watch the lanterns float down the river. The cost required to observe this event is lower than the cost to observe fireworks. Therefore, Toronagashi is considered to be an event that contributes to an increase in sales more so than the fireworks display.

5. Consideration

After a one-year trial operation, Kinosaki Spa Resort decided to continue operating the constructed system. As of January 2012, computer terminals have been installed and operated at all hotels and inns (87), all out-spas (7) and 35 shops and sightseeing spots.

So far, our explanations regarding this project have primarily been presented from an engineering standpoint. However, we believe that users have contributed a lot to the implementation of this project. Therefore, cross-interaction and the division of the roles between users and the engineering side are considered.

5.1 Division of the roles and adherence of the knowledge of innovation

When a number of individuals have conducted the joint project, each role is defined according each individual's knowledge. Regarding this, Prof. Ogawa's discussion [adherence of knowledge] is interesting [8]. The adherence of knowledge is a concept that represents the mobility (transfer to other areas) of locally learned and acquired knowledge (know-how, recognition of problem points). When such knowledge is easily transferrable and practically usable in other areas, its adherence is low. Meanwhile, the out-spa ticket issue at Kinosaki Spa Resort is not easily applied to other areas; thus, this adherence is very high. Knowledge of how to make use of IT technology prevails, thanks to the popularization of PCs and the Internet; thus, this adherence is low in comparison. In such a case, innovation is explained to take place in the neighborhood of the knowledge of high adherence. The result of this project, which has been completed in Kinosaki, fits in with Prof. Ogawa's discussion.

In addition to the concept of "adherence," Prof. Ogawa [18] indicates other concepts of "needs push" and "technology pull." Needs push means that users conduct needs design, and technology pull implies that users conduct technology design. He points out that the tendency for technology pull grows when the adherence of technology information is low.

The technology design of this project was generally entrusted to engineers (no technology pull happened). The proposed needs design would be implemented in various ways. Non-engineers could specify the implementation method by finding similar examples. However, it is necessary to understand the difficulty involved in each technology to find the best solution for cost reduction. This is very dependent on the engineers' skills and capability. Therefore, this is considered to be high adherence.

5.2 Coordination of a contact point between users and engineers

To install needs design in a technology design framework, coordination is required. The contact point between needs push and technology pull from the user side and technology development from the engineering side has made a considerable impact on both technology design and needs design.

As previously mentioned, trial productions and operations were reciprocally repeated by both users and engineering experts to achieve a better interface (usability on-site). This was repeated until the final configuration was installed. In cases where users are able to describe the needs push completely (to write down completely with specifications), this represents a needs push as well as a technology pull. When users have no idea about relevant technology design, the user's need has to be realized in trial production and operation. Joint work is required to duplicate the same scenario to discover the problem, if any, and review solutions for improvement. Mutual interaction between users and engineers has made an impact on needs design and technology design. The following is a specific example.

Operational interface at hotels
At the initial stage, computerization of out-spa tickets was requested by concerned local entities; however, no request was made for an interface. We then expected that additional information, such as age-demographic data and so on would be input when issuing out-spa tickets at hotels. Data entry is important for the data analysis, and we considered that this would be feasible at Kinosaki hotels since such data entry is ordinarily performed at convenience stores by young and old people alike.

However, no data entry interface was adopted for additional information. For instance, we created the system so that the out-spa ticket could be issued by reading the ticket barcode from a list of commands. We also designed the system so that the customer's non-contact IC card, such as a mobile phone, is entitled to an out-spa ticket by simply touching the OSF-POS system at hotels. In the event that guests stay over more than two nights, the number of overnights shall be entered by barcode. A child's ticket is issued by reading the [child ticket barcode] first.

Due to the importance of the research function, we have tried to keep the data collection capability in the trial interface as much as possible, while simultaneously making efforts to simplify the operation. However, local people who were concerned asked us every time to make the operations much simpler. Many elderly people work as hotel clerks, and they experience anxiety when learning new technology, such as the ticketing process at hotels.

Though the proposed needs design was indefinite at first, this became concrete in the course of matching technology design and needs design.

Needs design of out-spa tickets
The OSF-POS system has a function to utilize mobile phones with credit functions or non-contact IC cards as IDs. However, the penetration rate of the above is not 100%. Therefore, a method to print a barcode on a receipt must be adopted as well. A question then arose as to whether the printed out-spa ticket would function well enough.

However, both the non-contact IC card and the printed receipt were to be used together for the following two reasons.

First, the promotional message "a mobile phone is used as an out-spa ticket" was considered to be a very appealing new technology. A mobile phone is one of the most familiar IT technologies. Making use of such technology at a spa resort is welcomed as a cutting-edge approach that has never been attempted by other resorts. Moreover, this approach is expected to be highly popular with the tourists. While enjoying an out-spa tour wearing a yukata, tourists try to minimize their belongings as much as possible. However, mobile phones are known to be an exception. "A mobile phone is used as an out-spa ticket" is a good point that should appeal to tourists.

Another reason the two are to be used together is that it may help defend the unauthorized use of a ticket. At the time, Kinosaki was planning to issue a one-day pass to be used for unlimited entries to out-spas on the day purchased. However, their hesitance was cause by their concern that one ticket might be abused by several people. It is expected that tickets will not be abused if tourists' mobile phones are used as the out-spa ticket.

Therefore, the application of FeliCa is positively incorporated into needs design, though the cost is comparatively higher than the barcode-only system, which points to the fact that some part of technology pull is effectuated by users.

Out-spa ticket with a credit function
Credit service increases the burden on hotels. They are obliged to explain the system to hotel guests and settle the bill at checkout time. Hotels have no merit at this time; credit service is offered to the area as a whole. Therefore, it is at the hotel's discretion to issue or not issue the out-spa ticket with a credit function.

In order to save time and work for the hotels, it was arranged so that out-spa tickets came equipped with a credit function by entering the room number only. The room number is essential to settle the hotel bill. Therefore, engineers considered that this would be the final form, as it is not possible to reduce the operational work any further.

After the introduction of the OSF-POS system, many hotels prepared printed out-spa tickets before their guests arrived in order to avoid congestion at check-in time. However, hotels were obliged to discard the prepared ticket and reissue it if the guests requested a credit function. This is because the out-spa ticket with a credit function requires the room number before the ticket can be issued.

With this fact in mind, engineers have added a function whereby the credit function can be added to an already-issued ticket by entering the room number. This function has been well accepted and has become a major trend in Kinosaki. Hotel clerks had a difficult time imagining that the new function could be added on to an already-prepared ticket later. In addition, hotels that issue out-spa tickets with a credit function are cooperating with the efforts of the area. Therefore, it is believed that those hotels were patient through some inconveniences. This shows that engineers are expected to extract the needs sometime.

Pass code

It was required that pass-codes be provided (from 1-3 digits), as guests may lose their out-spa ticket with the barcode; hence, a pass-code is given when issuing the ticket. Allowing guests to choose their own pass-code was not implemented in order to avoid congestion at the front desk. Throughout the trial, some guests contacted the hotel to ask for a forgotten pass-code, and hotels were obliged to respond.

In response to this, a specific number of pass-codes was allocated to each hotel and was made available to all guests for that day (the same pass-code number for all guests) in addition to the abovementioned system. This system in which all hotel guests were to use the same number for the day seemed very risky. (No engineers would likely recommend this system). However, many hotels used their specific number in a practical way, which can be considered part of the technology pull.

As for the OSF-POS system being introduced in a considerably short period of time, frequent dialogue or interchange between users and engineers were particularly noted. The users' requirements were taken into consideration, and technological improvements were implemented (and sometimes new functions were added) and returned to the site. These reciprocal actions were conducted in approximately two weeks in each case. This interaction created new knowledge of a more user-friendly system and contributed a lot to making needs design much more attractive to the local entities involved.

5.3 Supporting users' awareness

The most difficult challenge was answering the question of who would conduct the analysis of the collected data. One option was to employ a consultant; however, this option was not affordable for many sightseeing areas. The ideal option was to build a structure in which the local people involved could freely exchange ideas.

For people to be able to exchange a variety of ideas, they would need more opportunities to review data. Therefore, we presented push-style data, where we sent a graph to shopkeepers and so forth, showing the number of guests as well as the total sales amount in Kinosaki. In addition, a system was constructed to discuss items on the mailing list.

The event evaluation mentioned in Clause 4.4 was pointed out by a hotel owner on the mailing list.

He commented, "My hotel had eleven credit payments yesterday, amounting to 21,625 Japanese Yen. Eleven credit payments were the largest ever. Credit payments in the area were also the largest. Though a number of guests at Bon time (religious ceremony celebrated in summer) were larger, there were more credit payments at the time of Toronagashi. This data suggest that many people enjoyed walking at Toronagashi" (extracted from an e-mail received from a hotel owner on August 26).

It is presumed that this owner first noticed the large number of credit payments and then noticed that the entire area had the same experience. It then reminded him of the effect the event had on credit payments.

In order to encourage the people involved to remain aware, it is meaningful to review data daily. The impression that "something is different today" will instantly fade away. Therefore, minor changes will not be noticed if reviewing the data is troublesome.

In order to accelerate the awareness of people concerned, one measure is to reduce the cost for checking data like that used in this project in data push style. Another option is to arrange the data that shop and hotel owners want to check (for instance, a graph showing the sales amount of the hotels and shops in the same business).

Apart from the measure to increase the opportunity to review data, it is important to arrange data in a way that will encourage awareness. Local business operators are clearly aware of what occurred on that day; however, they sometimes do not pay attention to changes that occur over the mid- and long-term. Therefore, it is effective to present a graph on a monthly or annual basis. At 7-Eleven stores, POS data is provided on a graphic terminal so that the shop owner may make use of this data [8]. Apart from 7-Eleven, data from the entire area does not have a direct impact on each hotel and shop. However, providing chronological changes of the area on a graphic mode will help people understand signs of real changes.

5.4 Local project implementation structure

Presence of the key person
Though local people at Kinosaki had no prior opportunities to work with engineers on a joint project, we could conduct demonstration experiments, which led to continued operation. This owes much to the presence of the key persons who have actively cooperated with us. Key person in this sense refers to those persons who have strongly influenced the decisions made in the area. In Kinosaki, fortunately, several key persons recognized the value of this project, talked about the needs in a constructive manner, tried to understand the technology, and took on the practical work of consensus building. Since consensus building is a time- and cost-consuming task in the open service field, the presence of key persons is essential for joint project implementation.

Increase in the number of people involved
The presence of a key person does not necessarily mean that consensus building will be easy in the area. It is important that the key person receives broad support. Hence, meetings were frequently held for local coordination. Here, we would like to point out the significance of the interactions mentioned in Clause 5.2, in which users generated ideas that were brought to light. The repetition of the above work in a short period of time contributed much to users being able to recognize that their ideas were reflected upon and incorporated into the system. Recognition widely spread that not only people who had offered ideas but other people were taking initiatives to create projects as well. This has led to the commitment (involvement) of many people.

Another factor contributed to a large commitment (involvement) of the people. People are entitled to bestow a name on the system. The unique name "Yumepa," which is the "Kinosaki spa-tour bus," spread quickly and became popular. Scientific causal connection is not clear at this stage; however, it is presumed that bestowing a specific name evokes recognition of their initiatives.

Creating an administrative organization
Creating the structure to implement the project on a long-term basis was one of the major points of controversy. The project requires the consensus of the entire area. However, in Kinosaki, there were industry-classified associations only, and no adequate organization was found for the discussion of the OSF-POS system. The out-spa ticket issue is in the hands of the property ward assembly. The credit payment issue is in the hands of the commerce and industry association. The operational initiative of the project was separated. Then, Kinosaki set up a decision-making body consisting of representatives from all of the industry-classified associations in the area. This new organization functions as the center of discussions of business that affects the entire area, as well as functions as a responsible body for the continued operation of the OSF-POS system. It is essential to define the body responsible for guaranteed operation in the future.

Conclusion

In order to introduce the optimum design loop for service quality improvements in sightseeing areas, it is necessary to conduct continuous surveys on consumers' behavior on a mid- and long-term basis. In this study, we have indicated that the proposed survey system, which includes incentives, has a beneficial effect. We have also considered the importance of collaborative activities between the local people involved and the engineers.

When the practical survey system was introduced, the main concern of the local entities involved was whether the application of data would be feasible when coming from local people only. This concern was solved by providing data frequently and in a friendly manner. The project demonstrated that beneficial ideas are generated by local hotel owners and shopkeepers.

For promotion to be effective in attracting tourists, it is required that we give due consideration to next year's plans by stating a hypothesis. The decisions involved in the planning process may affect the presence or non-presence of subsidies or human relations. Therefore, operations in the future shall be carefully observed.

Acknowledgements:

This study was conducted with the support of a project [a promotion to create a new market by integrating IT and service (service technology research and development project)] by The Ministry of Economy, Trade and Industry in 2010.

Note

References

Author's biography

Yoshinobu YAMAMOTO
Engaged in the research of human interface and cognitive science. 2009 to date: Senior researcher, Center for Service Research, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Japan. 2001 to 2008: Cyber Assist Research Center, AIST. 2006 to 2007: Technical Advisor, East Japan Marketing & Communications, Inc. 2005 to 2009: CTO, director, Synergy Media Co. Ltd. 2001 to 2003: Chief System Architect, Cyber Technologies Laboratory, SONY Electronics, Inc. 2000-2001: Visiting Scholar, Center for the Study of Language and Information, Stanford University. 1994-2000: Senior researcher, Information Science Division, Electrotechnical Laboratory, MITI, Japan. 1994: Ph.D. Member of Information Processing Society of Japan, The Japanese Psychological Association and Japanese Cognitive Science Society.

mailiconyoshinov.yamamoto@aist.go.jp

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